入院中、夜中に目が覚めて眠れないことがよくありました。
そんな時間に読んだのが、東野圭吾さんの『クスノキの番人』と辻村深月さんの『ぼくのメジャースプーン』です。
どちらも、やさしさと強さを感じる物語で、とても感動しました。
『クスノキの番人』一誰かの願いに寄り添うということ
主人公は、ある理由で居場所を失った青年・玲汁。
彼は「願いが叶う」と言われるクスノキの番人になります。
最初はただ与えられた役割を淡々とこなしていた彼が、さまざまな人々の願いや想いに触れて、少しずつ変わっていく様子が印象的でした。
人の願いに触れる中で、彼の心が変わっていく様子にとても引き込まれました。
「人はどれほど誰かを想って行動できるか」を深く考えさせられ、涙があふれました。
誰かのためにできることを考えさせてくれる一冊です。
『クスノキの番人』

『ぼくのメジャースプーン』ーやさしさと正しさの間でゆれる心
小学生の「ぼく」は、特別な能力を持っていて、ある事件がきっかけで、「相手を罰するべきか」「許すべきか」と真剣に悩みます。
それを「正しいこと」のために使うべきかどうか悩む姿がとても印象的でした。
子ども向けの本に見えますが、大人が読んでも深く考えさせられます。
自分ならどうするか?人の命とは何なのか、動物の命とは何なのか、読み終えた後もずっと考えていました。
『ぼくのメジャースプーン』

こんな人におすすめです:
・入院中やお休み中で、心が少し疲れている方
・誰かのやさしさに触れたいと思っている方
・子どもと一緒に感情について考えたい親御さん
・「正義」や「思いやり」について深く考えたい方
この2冊は、読む人の心にそっと寄り添ってくれる本です。
気持ちが沈んだときや、自分を見つめ直したいときに、ぜひ読んでみてください。