入院生活も6日目。
夜中から朝方にかけて、何度も足がつった。数えてみたら2〜3回。お腹が張るのも辛いけど、こういう痛みも地味にしんどい。寝ている時に突然くるから、そのたびに目が覚めてしまって、熟睡できた感じがしない。朝は体もだるくて、なんとなく気分が晴れない一日の始まりだった。
そんな中、ふとした瞬間に「うちに帰りたいなあ」と口に出てしまった。まわりに誰がいたわけでもないけれど、自分の中にたまっていた気持ちが、こぼれたような感じだった。病院は清潔で安心できる場所だけど、やっぱり自分の家が恋しくなる。布団の柔らかさ、家族の声…。当たり前だった日常が、今はとても遠く感じる。
今日の昼食から、便が出るようになったからヨーグルトが出なくなった。言われてみればたしかに、ここ数日でお腹の調子も少し落ち着いてきた。
午後、ちょっとしたことがあった。薬を飲んだのをすっかり忘れてしまって、もう一度飲もうとした。薬の時間は毎日同じだから、なんとなく体が覚えているはずなのに、「あれ、飲んだっけ?」と自信が持てなくなった。記憶がふわっと抜け落ちたような感覚。焦って思い出そうとするけど、はっきりしない。その場で自己嫌悪に近い気持ちが込み上げてきた。「私、こんなにぼーっとしてたっけ…?」と、自分を責める気持ちも少しあった。
でも、考えてみたら当然なのかもしれない。環境はガラッと変わって、毎日同じようなリズムで過ごしていて、刺激も少ない。体調も万全じゃないし、寝不足も続いている。そんな中で記憶が曖昧になるのは、無理もないことだと思い直した。それでも「ちゃんとしなきゃ」とどこかで気を張っている自分がいる。
夕方には、点滴の針から液が漏れてしまって差し替えになった。看護師さんがすぐに対応してくれてありがたかったけれど、針を刺し直すのはやっぱりちょっと怖い。毎日のようにやっていることでも、慣れたくはないことの一つだ。
今日一日を振り返ってみると、小さな出来事の積み重ねだった。でも、その一つひとつが自分の気持ちに影響していて、思った以上に心が揺れていることにも気づく。
明日は少しでも、心が軽くなりますように。何でもないことを、穏やかに過ごせますように。