「時間が足りない」「もっと効率よく過ごしたい」――そんなふうに思ったこと、ありませんか?
私はミヒャエル・エンデの『モモ』を読んで、時間についての考え方が大きく変わりました。
灰色の男たちと現代社会の似ているところ
物語に出てくる「時間どろぼう」、灰色の男たちは、人々に「時間を節約すれば人生が豊かになる」とささやきます。
でも実際は、人々は大切なものを削っていくばかり。友達と過ごす時間、のんびり考える時間、心から笑う時間…。気づけば笑顔がなくなっていくのです。
これって現代社会そのものだな、と読んでいてゾッとしました。私自身も「無駄にしたくない」と思ってスマホをいじったり、効率ばかり気にしたりすることがあります。けれど、それで満たされた気持ちになったかというと…正直そうでもないんですよね。
モモの「聴く力」
主人公のモモは、特別な力を持っているわけではありません。ただ、人の話を最後まで、心から聴くことができるんです。
モモのそばで話すと、不思議と気持ちが整理されて、安心できる。
「ただ聴いてもらえる」って、本当に大きなことだと思います。忙しい毎日の中で、誰かに話を聴いてもらうだけで救われる瞬間ってありますよね。
豊かな時間ってなんだろう?
『モモ』を読んで、私は「時間をどう使うか」より「誰とどんなふうに過ごすか」が大事なんだと気づきました。
赤ちゃんとの時間、家族との食事、友達と他愛ない話をする時間…。そういう一見「効率的じゃない」時間こそが、心を満たしてくれるんですよね。
まとめ
『モモ』は、ただのファンタジーではなく、現代を生きる私たちへの問いかけのように感じました。
「時間を節約する」ことばかりに気を取られるのではなく、モモのように人に寄り添い、大切な時間を味わえる人でありたいと思います。